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理事長からのメッセージ

理事長からのメッセージ

何より会員230社のために

 日本音楽制作者連盟の理事長に就任後、まず何より原点を見つめ直してみようと思いました。音制連とは音楽プロダクションの団体であり、会員社に所属するアーティストの多くが、実演家と作詞・作曲家を兼ねた自作自演、セルフ・プロデュース型のアーティストであるところに特徴があります。そのアーティストのパートナーとして日々業務を行っている正会員230社が、音楽産業における様々な環境の変化の中で、どうすれば自分達の長所を最大限に活かすことができるのか、どうすればよりハッピーになれるのか─── 音制連が取り組むべきは、ひと言でいえばこのようなことであり、理事長の役割もそこから自然に導き出されると思っています。もちろん、アーティストと彼らの作品に関わっているのはプロダクションだけではなく、レコード会社、音楽出版社、コンサートプロモーターなどの方々との共同事業でもありますので、プロダクションだけが潤えばいいというわけではありません。業界全体の「共存共栄」も当然視野に入れるべきだと考えています。

 「原点」といえば、音制連にとって最も重要な使命は、実演家の著作隣接権使用料や報酬を権利者に分配することです。これからも権利者団体としての役割を充分果たしていきますが、一方で現在は権利主張だけを強くしていれば良いわけではないことも理解しているつもりです。例えば近年続々と立ち上がっている会員制のストリーミングサービスについても、これらのサービスが音楽市場を広げ、アーティストの新たな創造サイクルを生み出すことにつながるならば積極的に協力していきます。

本当の意味での「ライブの時代」

 ここ数年の「音楽産業の環境の変化」の代表的な例を挙げるとするなら、レコードやCDの音源ビジネス中心の時代から、「ライブの時代」に移行しつつあるといわれていることでしょう。ご存知の通り、実際に全体の国内コンサートの動員や売上は年々伸び続けています。大規模なロック・フェスも一般的な娯楽として浸透しました。もともとライブに力を入れてきたアーティストが会員社には数多く所属していますので、我々音制連にとっても「ライブの時代」は歓迎すべきだと思いますが、コンサートに関わる人達が皆、適正な対価を得られるような収益構造が確立されているかといえば、まだまだ難しい面があると思います。もっといえば、徐々に会場のキャパシティがステップアップしていく過程の中で、コンサートの中心となるアーティストが着実に経済的な体力もつけることができ、さらに高みを目指すことにつながるような環境作りが必要だと思います。

 また、2020年に向けて様々なホールの改装・閉鎖によって会場不足が問題になっていますが、コンサート会場の問題を考える上で、優先して着手すべきポイントが本当はどこにあるのか、ACPC(コンサートプロモーターズ協会)の皆さんとも相談しながら、見極めていきたいと思います。
 会場の問題でいえば、スタジアムやホールなどだけに注意を払うのではなく、ライブハウスの役割・実態も改めて調査・研究し、ライブハウスをベースに活動を続けているアーティストを応援する道を探りたいと思います。現在はビッグネームになっていたとしても、もともとライブハウスからキャリアをスタートしたアーティストが多いですから、これも原点を見つめ直す一環になるのではないでしょうか。

「インバウンド」を考える

 もう一つ、皆さんとオープンにディスカッションしたいと思っているのは、国内のライブに海外からの動員を増やすためのアイディアです。日本を訪れた旅行者が全国の観光地に足を伸ばす際、ぜひフェスやライブも観てもらいたいと思います。海外進出といえば日本のアーティストが海外でライブを行うことだと考えがちですが、日本各地の素晴らしい景色や美味しい食とともに音楽を楽しんでもらえれば、これまで以上に多様なアーティストや音楽の掘り起しにつながるかもしれません。そのためには各地域の情報を音楽文化とともにフィールドワークし、海外へ向けて発信していく必要がありますが、SYNC MUSIC JAPANやMOMM(MUSEUM of Modern Music)での経験を活かして、必ず力を発揮できると思います。

「音制連の今」を見えやすく

 最後になりましたが、私は音制連の役員、会員各社の代表者の方々はもちろん、各社で働くマネージャー一人ひとりの個性と可能性を信じています。だからこそ、どんな問題にも新役員のメンバーの皆さんと一緒に立ち向かおうと思っていますし、それと同時に、会員社の方々のご意見にも常に耳を傾けたいと考えています。さらには、会員社から「今、音制連は何をやっているのか」ができるだけ見えやすくしたいと思います。