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independence-D vol.0 2005 HOME > REPORTS > Day#3 METAL/SHOCK ROCK

Day#3 METAL/SHOCK ROCK
3/13 Day#3 METAL/SHOCK ROCK

  日本のインディペンデント・レーベルが主導権を握り、国内外から合計 100 を超えるインディーズ・アーティストを招聘した「 independence-D 」。バンド数の多さと一日 3500 円という採算度外視のチケット代により連日大盛況となったが、最終日の 13 日は最高の動員を記録。熱心なファンを持つバンドがそれだけ多いということで、これを一気に見れる体験はまさにお得としか言いようがない。
    いわゆるビジュアル系の新鋭メリーが、その可愛らしい名前とは対極のどす黒い爆音で第一ステージのファンを湧かせる頃、第三ステージではスレイヤーの実弟率いるザイン・アイズ・ブリードが激烈なメタルコアで狂気のモッシュ・ピットを誘発。のんびりとステージ観戦できる野外の第四ステージでは東京のホイール・オブ・ドゥームが熱い唄を轟かせているし、都内の狭いライヴハウスを思わせる第二ステージでは大阪のエッジ・オブ・スピリットが観客の闘争本能に火を付けるパフォーマンスを披露。スタジオ・コーストの特性を精一杯活かした同時進行の4ステージは、音が衝突することもなければ移動中のパニックも特になく、観客各自がそれぞれのペースで見たいものを見るという、独立系イベントならではの理念に則ったマナーが自然と生まれていた。ビジュアル系のファンとメタルの信奉者に共通点が多いとは言い難いだろうが、両者は混ざるとまではいかないまでも、ごく自然に共存している様子。これは特筆すべき収穫だったと思う。
  意識を朦朧とさせるヘヴィ・ロックを聴かせたチャーチ・オブ・ミザリーやフロム・へルのステージも良かったが、やはり白眉は第一ステージの後半。三人編成となりドラムにマーキー・ラモーンを迎えた新生ミスフィッツは、オリジナル曲とラモーンズの名曲を交互に披露。時代性を無視したパンク・ロック同窓会的というムードではあったが、だからこそ何も考えずに楽しめたのだ。続いて登場したムックは昭和歌謡とヘヴィ・ロックが合わさったような強烈な個性をアピール。ファンの盛り上がりも凄まじく、バンドのことをよく知らないメタル・ファンからもいい反応が起こっていたようだ。ただし、大トリを務めたラウドネスはスピード感と破壊力がケタ違い。通算 19 枚目の新作が来月に出るという発表もあったが、まさに継続は力なりだと全員に知らしめるような、そんな余裕と貫録の
パフォーマンスであった。 (石井恵梨子)